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[コメント] マラソンマン(1976/米)

人生、何が自分の身を助けるか分かりませんな。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今観るとチープだし、大風呂敷を広げ、こんなことが起こったら盛り上がるだろうなあと言う極めて都合のよい展開だが、御免なさい、70年代の雰囲気がそこかしこに垣間見れるこのスリラー映画が大好きです。

音楽をはじめ恐怖感を盛り上げていく演出には事欠かない。特に圧巻なのがベイブが風呂場でくつろいでいるときに進入してくる闖入者のシーン。あそこは本当に怖かった。

話し自体はヒッチ映画でよく見受けられる巻き込まれ型映画。謎の美女が話しに絡んできて、敵か味方か分からない所は『北北西に進路を取れ』の70年代版という見方も出来る。そしてこの映画で見受けられる暗さが、いかにも70年代的で病み付きになる。あっちが新幹線で優雅に、こっちは必死こいて走る。その違いも面白い。

原作は読んだことがないので分からないが、ベイブと父親の関係や兄との関係にもっと重点が当てられているのかもしれない。だが、そこら辺はさっと流してくれた方が面白くなる。原作者自身が脚色したということは元々映画化されることを前提に書かれていたのかも知れない。映像化を前提に書かれたのなら、この荒唐無稽な展開は納得できる。

しかしあの拷問のシーンは本当に痛そうだ。子供時分、歯医者が何故あんなにも怖かったのか、それはあの音にあったのだと言うことを再認識。「G線上のアリア」にでも聴こえてくれればよかったのだな。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)RED DANCER[*] KADAGIO[*]

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