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[コメント] チャイルド・プレイ(1988/米)

本作がホラーの傑作たり得るのは視点のユニークさによるものでしょう。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 ホラー映画の傑作の一つで、今なお続編が相次ぐシリーズ。その第一作だけに完成度が非常に高い。

 本作の魅力は色々とあるだろう。可愛い(…くもないけど)人形が殺人鬼になってしまったことや、相手が人形だけにいくら本当のことを言っても信じてもらえないとか、ブードゥ教の演出を取り入れたとか…

 しかし、それらは他の凡百のホラーでも同じ。本作を傑作たらしめているのはそんな事じゃない。

 この作品の凄いところは、実は主人公が無理解な大人であると言う点にある。この作品の主人公はチャッキーやアンディだけじゃない。母のカレンこそが最も重要なキャラクタだったのだ。

 彼女はあくまで理性を持った大人として描かれる。愛する息子が変になってしまい、それを心配する親の愛がそこには描かれる。彼女にとってチャッキーはあくまで人形に過ぎない。その視点がメインだったから、割とチャッキーが自分の素顔をあっさりアンディに明かしてしまったとしても、徐々にその恐怖が演出できるのが最大の利点だった。彼女の視点に立つと、徐々におかしくなっていくアンディが、実は本当のことを言っていた事を知るまでの過程が丹念に描かれてる事が分かるだろう。

 同時にアンディ本人の視点でも本作は描かれているため、本作は二重(チャッキーを合わせると三重になるが)の視点で描かれることになる。

 本作のおもしろさは複数の視点で一つの事実を見つめていると言う点にこそあったのだ。大概低予算で作られるため、演技の出来るキャラクタの少ないホラーはどうしても視点が固定されやすいもんだが、ここは巧い具合に二人演技が出来る存在がいたのが幸い(一人はこどもだったけど)。

 続編が同じ事やってるのに、全然面白くないのは、そこを分かっちゃいないから。本来本作の売りはチャッキーの存在感じゃないんだよ。

 話そのものはホラーの定式に則って作られているので、特筆すべきところはあまり無いけど(最後の反撃も予測の範囲内だし)、それを見てる人間の視点があるからこそ、新鮮に思えるのだ。

 …くだらないことを一つ言わせてもらうと、『怪奇大作戦』の一エピソード「青い血の女」の方が怖さの点では上だったと思う。

(評価:★4)

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