[コメント] MY FATHER マイ・ファーザー(2003/伊=ブラジル=ハンガリー)
なんといっても「メンゲレ」を演じたチャールトン・ヘストンが出色。全編にわたって圧倒的な存在感を誇り、文句なくチャールトン・ヘストンの映画といえる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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老いてなお、自然界の生存競争に事寄せて、自らの行為を正当化し、しかも息子のフィアンセが金髪碧眼でドイツ北部出身の白人だと言うことだけで、手放しに喜ぶ。
おそらく、長年にわたり逃亡を続ける実際のナチス戦犯たちもこうであろうという姿を、生々しく演じていた。それも、そういう狂気をいささかも感じさせることなく、穏やかで温厚な人柄、それがその人の本来の姿なのだと思い込ませるような人物のままで、演じきった。
これだけの芝居をされては、たとえ映画の中とはいえ、父の罪を清算したいと訪れた息子は、逆に狂おしいほどの葛藤に責めさいなまれるのは当然に見えて、その意味でも、この映画はチャールトン・ヘストン抜きには成り立たない映画ではないかと思わせた。
字幕を追っていて台詞をすべて聞いていたのではないから確信はないが、少なくとも字幕には最後まで「メンゲレ」の名前が登場することはなかった。この辺はフィクションとしての映画の表明か。
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