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[コメント] サマータイムマシンブルース(2005/日)

思わずニタリとしてしまうくらい面白かったんですが、普遍的な面白さを持った作品とは言い難いなと思いました。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まずはじめにネタばらしから始まるというんですか?おかしなシーンをまず最初に見せておいて、それはどういう経緯でそうなったかというのを後で説明していく展開は今までにない手法で面白かったんですが、最終的に辻褄が合っていく収束感が弱く、いまいち爽快な気分に浸れませんでした。冒頭から「何かおかしい」って思っているもんだから、それはどうしてそうなったのかってところに意識が働いてしまい、理由が分かった時もああ、なるほどね。で終わってしまう。ラストに向けて驚きの展開が用意されていないというところで若干魅力に欠けるなぁという感想を持ってしまいました。

また、なんとなく読めてしまうんですよ。カッパの事とか田村の母親についてとか。私が読めてしまうんだから鑑賞者のほとんどが読めてしまうんだと思うんですけど。でもこの作品はそういうどんでん返し的なところに重きを置いていないんだろうなってのは分かるし、そういう展開を楽しむというよりも、大学生の日常的なやりとりのダルさや笑いを楽しむものなんだと思う。だけどここ最近特に顕著なんだと思うんですけど、笑いってものの賞味期限が非常に短くなっていると私は思うんです。特に間とか言い回しとかはナマモノ的要素が強い。この作品の笑いは、そういったナマモノ的な要素の強い部分で勝負してきている。たった3年前の映画なのに、私にとってはなんだかとても古くさく映ってしまったんです。例えばヴィダルサスーンのくだりなんかも、発売当時は本当、無駄に連呼したくなったし、そうそうそうって感じで笑えたと思うんですが、今それで笑えるかと言えばまぁ笑えますけど、制作サイドの狙ったところとは違う部分で笑えるっていうか、もう少ししたらきっとここで笑えない世代が来るよと思ってしまう。

まぁそういう古臭さが逆に新しく思える時は必ず来ますが、それが居たたまれなく感じられる時期も長いんじゃないかと思います。そういう意味で普遍的な面白さを持った作品とは言い難いなと思いました。

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08.10.14 記

(評価:★3)

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