[コメント] ルパン(2004/仏=伊=スペイン=英)
「ルパンはバットマンじゃないだろう」と思わずつぶやいてしまった自分がいた。ルパンの幼時のトラウマなんかより、こちとら紳士怪盗の活躍が見たいのだ。やたらとルパンが青春しているのも何だか気恥ずかしかった。
概して、古いヒーローを掘り出そうとするとこの手のトラップに引っかかってしまうものなのだろうか。まずルパンとは何者か、という命題の答えをはっきりさせてからこの手の回想に耽るのが常道というものだろうと思うのだが。
もともと(義賊とはいえ)人の道に外れたことをやっている主人公なのだから、その前に立ちふさがる悪といったら、もう残虐非道冷血の人非人に違いないのだ。そんな相手を向こうに廻して、軽妙洒脱な戦いが期待できる筈もない。ということで、この作品は妙に暗澹として陰気な映画に仕上がってしまった。
ハリウッドの軽薄さを見習えとは言わない。しかし、もう少し犯罪と冒険のカタルシスに溢れた娯楽作を期待した俺が間違っていたのだろうか。
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