[コメント] 深紅(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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たまたま原作を読んでいたので興味があって見たのだが、映画は別物だとはいえ上っ面をなぞっただけで終わっちゃったかんじ。
ファンの人には申し訳ないが内山理名が著しく役者不足。堀北真希が良かっただけに余計残念。演技力どうこう以前に設定が縮こまっていて、原作では彼に裸体を写真に撮らせたり喜びのないセックスに身を委ねるなど心に闇を抱えるキャラの肉付けがあったのだが、内山理名ありきで脚本をいじったのか、彼との関係も至って健全なふつうの女子大生。デヴィッド・リンチなんか絶対見てないかんじ。原作と同じ設定にする必要はないが、いままでの内山理名イメージを突き破る賭けが必要だったのでは。
オープニングからは、彼女が「事件」を知らされて「その結果」に直面するまでが淡々と描かれるのだが、良く言えば丁寧だが悪く言うと冗長。その長いシーンは後になって彼女のトラウマ症状の布石だったことがわかるのだが、はっきり言ってそこまで時間使うほど重要ではないのに、これのおかげで2時間超えてダラダラと長くなっちゃった。しかもタクシー車内シーンはずっと背景が合成。安っぽい。ロケで撮ろうよ。
そのくせ、父親の抱える歪みが頂点に達するまでの過程はかなり端折られて、「事件」のシーンも映像的なインパクトを抽出したのみ。結局、「傷ついた二人の少女の再生と友情」がメインであったとしても、かなりヌルい、商業映画的な収まりどころになっている。
音楽をあまり使わないのは好きなはずなのだが、ノロいテンポに眠気を催す。終盤の二人の友情(愛情?)シーンでは、いまどき安いトレンディドラマでもやんないよというカメラグルグル360度回し。なんか脱力した。
水川あさみ、内田朝陽コンビも良かったので内山理名のダメダメぶりばかり目立ってしまった。
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