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[コメント] 四月の雪(2005/韓国)

少ないセリフや役者の演じる仕草は確かにホ・ジノ作品そのものなのだが、 少し物足りない。
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヨン様のテクに唸らされることしきり。

首尾よくコトに及んだヨン様。 すぐに柔肌にガッつかずにあくまでソフトタッチ。女の呼吸が徐々に乱れるのを楽しんでいるのではないかと思えるほどの余裕。もはや「無」の境地か。男はこうでなくては。

「食事しませんか?」と誘って断られたヨン様。「待ってます」とただ一言。 なるほど。こういう時は押してダメなら引くのか。北風と太陽作戦か。 「待ってます」なんて言われて放っておいたら寝つき悪いからな。

※以下はちょっとだけ『八月のクリスマス』と『春の日は過ぎゆく』のネタバレ ◇

一方でソン・イェジンは過去2作品の主演女優と比較すると完全に影が薄い。 『八月のクリスマス』のシム・ウナも『春の日は過ぎゆく』のイ・ヨンエも終盤になるに従って女性の魅力やズルさが全開となるのだが本作品では抑え気味の尻すぼみ。 まあ旦那が死んだのだからああなって当たり前といえば当たり前なのだが、日本向けにヨン様を引き立てるための特別な演出をしたのではないかと思ってしまう。 空を見上げるヨン様なんてもろに冬ソナ。

八月のクリスマス』も『春の日は過ぎ行く』も『四月の雪』も「喪失の中から生まれる希望」をテーマにしているという意味では共通しているが、『八月のクリスマス』の"写真"や『春の日は過ぎ行く』の"血止め"みたいな心に引っ掛かかる何かが欠けているので物足りなかった。

ところで、ホ・ジノ監督作品の上映時間を調べると、『八月のクリスマス』が97分、『春の日は過ぎ行く』が116分、『四月の雪』140分という具合に、本数を追うごとに長くなってきているのが気になる。いらないシーンをカットする決断力が鈍くなってきているのではないだろうか。

(評価:★3)

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