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[コメント] ゼイリブ(1988/米)

カーペンター印の免罪符は確かに存在する。と思う。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本来「それでも俺はアメリカを信じるぜ!」みたいな、逆から見れば排他的な匂いすら漂うノリは苦手だったりするし、味方チームがラスト近くまで胡散臭い過激派集団(何しろサングラスからして胡散臭い)スレスレに見えてしまったりもするけど、不思議にも最後には一切許せてしまう。何しろ監督本人に一切迷いがない。とにかく気持ち良いぐらい潔い。一見不親切にも思える、前振りナシにゴリ押しで進むストーリーテリングも、逆から見れば言い訳がましさが皆無とも言えるワケで。

「薄々分かっているのに気づかない振りしてるだけ」みたいなセリフから、社会に対する漠然とした不信感、信じているモノがいかに脆い土台の上に成り立っているか、そんなことを考えることも可能かもしれないけど、ナニブンに上記の理由で穿った見方をすること自体がナンセンスに思えてくる。小賢しい小細工一切お断り、みたいな。

個人的には「自分の周りの人間は実は他の星から送られてきてるスパイで、寝ている間に深夜の集会を開いて自分の観察記録を逐一彼らの星に報告しているのかもしれない」・・・みたいなガキの頃にありがちな(ありがちじゃないか)電波な妄想を思い出して、子供心はかなり満足。上手く説明できないけど、この映画もどこかガキっぽいノリがある気がするのですが。それがまたナイスですカーペンター。

追記:こんなことばかり書いてると、まるで何も考えてない監督代表みたいに聞こえるかもしれないので、一つ付け加えときます。さほどカーペンターの熱心な鑑賞者ではないですが、見た限りでは、映画の冒頭部の不穏な空気をとても魅力的に描ける人だと思うのですが。『物体X』をはじめとして『ハロウィン』も『ザ・フォッグ』も『光る眼』も『ゴースト・オブ・マーズ』ですら、冒頭部にワクワクさせられます。その後の展開の落差がスゴイのもまた特徴の一つですが。

(2006/2/26)

(評価:★4)

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