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[コメント] 私の頭の中の消しゴム(2004/韓国)

「お涙頂戴映画」とは一線を画していると思う。この映画の中には二人の歩んできた人生の重みや深みが見事に秘められているから、同時に失われるものの重みやその切なさに、勝手に胸を打たれた。
ムク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私は彼女がどうなるのかを知りながら映画を観ていた。題名からしても彼女の行く先は想像がつく。きっとこの映画を観たほとんどの人が知りながら観ていたことだと思う。

いつ悲劇が始まるのかと、ある意味わかりながら、予想しながら観ていたにも関わらず、ひどく感情が揺さぶられた。泣かせるために撮られた映画ではなかった。

この映画が「お涙頂戴映画」と一線を画しているのは、この映画の中に確かな二人の歴史や、歩んできた人生の深みが見事に秘められていたからではないかと思う。出会いから恋愛へ、恋愛からかけがいのない家族へ、そこへ至るまでの過程やエピソードが一つ一つ丁寧に描かれていたから、失われたものの重みも大切さも自身の実感として感じられ、勝手に胸を打たれた。

「そこの犬でも当てられるゲーム、王様を当ててください」こんな他愛もない日常の一シーン、それを思い出すだけで胸が痛い。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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