[コメント] ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
昭和33年をリアルで体験した両親を誘い 2度目を観に行きました。 両親と劇場でいっしょに映画を観るのは、三十年近くたっているのでは・・???(^^ゞ いっしょに行った 小3の息子と両親のシニア料金が同じだったのは、 なんとも複雑な心境でした。
おじいちゃん(父)の感想は、 冒頭・・ 「模型飛行機の、あんな後ろを持って(プロペラのゴムを)巻いたら、折れてしまうがな。 もっと先を持って巻かんといけん。」 なんて言葉に、 ひょっとしたら大昔、模型飛行機で遊んでもらって 同じ言葉を言われたのかなぁ〜?などと想像してみたり・・・ また、昭和33年と言えば、「飲み屋(酒場)が絶頂期の時だった。 そこら中に飲み屋があった。」 と懐かしんでました。。。。
●指輪
劇場で観たあと、 TVの特番やパンフレットを見て… 「名シーン」を見落としてた事に気がつきました!(T.T)
ラスト近く、夕日を浴びたヒロミが、 顔の上に手をかざし・・茶川からもらった "見えない指輪"を眺めるシーンがあります。 それだけで、もうウルウルなんですが・・・ 初見の時、ぼくの貧困なイマジネーションでは、その時の指輪は ただの"見えない指輪" だったのです・・
が・・ 落ち着いて 手を夕日にかざした時、顔に出来る影の位置を見ると、 ちょうど指輪のある位置に 「夕日」があるような? 気がするのです・・ ということは、その指輪は "見えない指輪" ではなく、 正に美しく、いくらお金をつんでも得ることのできない宝石が、 ヒロミには ハッキリと見えていたのではないでしょうか!!? 初見から 2〜3日して… この事に気がつき、なんて素晴らしいシーンだったんだ! と 感動しました!!
その後の 2人(3人)がどうなっていくのか、とても気になるところなんですが… まぁ、それは 別の話…
●万年筆
茶川は、おそらく指輪を買うため鈴木オートからお金を借りたんだと思うのです。(ちがうのかしら?) しかし なけなしのお金をはたいて(借金までして)… 指輪ではなく、万年筆を買います。 当時、万年筆は、いくらくらいしたのでしょう? 初見では、今の感覚で、指輪と万年筆を比べたら断然指輪の方が高価だろう!? …と根拠なしに 思いこんでたのですが・・・ ひょっとすると・・ いくら 3流とはいえ 金のペン先ならば、 指輪と同じくらい高価だったのかもしれません??? 何万円もするのかしら?? そう考えると、様々なシーンで… 更に泣けて来ました・・・(T.T)
実際のところ・・ 当時の万年筆の価格は、調べてもよく解りません・・ 鈴木オートが貸してくれたお金もいくらくらいだったんでしょうね?
・ちなみに 昭和33年の物価は 大卒初任給 13467円 テレビ 73500円 扇風機 12800円 電気冷蔵庫 10万円 洗濯機 24700円 スバル360(車) 452000円 野球盤 1750円 チキンラーメン 35円 バス 15円 ノート 20円 ビール 1本 125円 ラムネ 10円 週刊誌 30〜40円 たばこ 30〜50円 映画 100円 床屋 120円 なんだそうです。 1万円札が登場したのも昭和33年。 (*パンフレット WEB等より引用)
ちなみに ダイハツミゼットは 26万円 ※ ただし作中のミゼットは、昭和34年以後の型なので、 作中、ボロボロのミゼットが走っているのは 映画的大ウソである…
●昭和も、もはや時代劇になってしまったのか--
アノ時代から考えれば今は物もあふれ、格段に豊かになっています。 しかし… "い つ も" 変わらないのは「夕日」であり、 その「夕日」が象徴しているものは、何なのか? それを家族で考えてみたい気にさせられました。 D-51の歌う主題歌「ALWAYS」の歌詞が、心に浸みます。
●本気で喧嘩も したくなった。
2005/11/25記
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(↓以下11/29追記)
パンフレットを見て気が付きました。 エンディングロールの直前に出た 茶川、淳之介、ヒロミの3人が並んで写っている写真を見ると、 淳之介の胸ポケットには万年筆がささってます。 (大晦日以降の)3人の将来を示唆した写真だと思います。 これを見て、うれしくて泣けた。
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