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[コメント] 酔いどれ天使(1948/日)

まだまだ研磨初期段階の、荒削りな原石を見る事が出来る貴重な作品。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







三船敏郎2本目の出演作品という事で、気になる部分がかなりあります。まず訛りと棒読み台詞。この2点はその後の出演作でも薄まりはしているものの、後々までそんなに変わってはないんですが、まだ俳優業に慣れていない事もあってか、訛りと棒読みの台詞がものすごく気になります。それから結核に冒されている役どころの為、病気に見せるメイクもまた凄い。もう少し自然なメイクが出来なかったものかと…。ちょっとわざとらしすぎました。また、三船さんの有名な出演作を数本観た後という事もあってか、私はそこまで今作の彼の演技に度肝を抜かれる事はありませんでした。黒澤監督もまだまだ模索中というか、彼の魅力を持て余しているような印象もありましたし。むしろ私は志村喬さんのいつもとは違うアクティブな演技にちょっと惹き付けられました。とは言え、これが三船出演作2本目と言われればやはり驚愕してしまう訳で、当時これを観た人たちがどんなに心を掴まれたか、想像に難くありません。

作品そのものは、黒澤監督のぶつけどころのない怒りや歯がゆさのようなものを感じました。そんな監督の思いを、この二人は見事に表現していると思いました。名コンビと言われるのも本当に頷けるお二人です。

しっかし乱れ髪の三船は恐ろしく色っぽい。

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08.07.01 記

(評価:★4)

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