そもそもＳＭとは性欲を満たす為のポルノとは一線を画していると思う。

そこに表現されるのは精神的な熟成である。支配と支配される嗜虐的な悦び。

それは組織のルールに縛られる事に堅苦しさを感じつつも、ある種の満足感と安定感に安堵する心地良さと同義である。

故に誰しもが深層心理では理解出来る素地を持ち合わせているのではなかろうか？

性欲がメインテーマでないという事は、どうしても精神世界がメインになる。映画としては本来ならば高尚な一般作品が手がけるべきものだと思う。しかし、それが叶わぬということで、これ等の作品が陽の当たらぬ場所でひっそりと存在している。

本作の麻吹淳子はよくがんばっていた。熱演だった。

近所にいそうな美人奥様風な麻吹淳子は徹底的にエロく、現実離れした美しさの志麻いづみは神々しいまでに美しい。しかし、そんなこたぁどうでも良くなるほど充実したドラマがある。横道に逸れない脚本にも好感が持てた。