[コメント] Mr.&Mrs.スミス(2005/米)
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中盤の格闘夫婦喧嘩、あのシーンがすごく面白い。アンジェリーナ・ジョリーが容赦なく大砲をぶち放つ姿は爽快。『トゥーム・レイダー』のララ・クロフトは銃が似合う。それに対抗してブラッド・ピットも素手での格闘になると男の意地を発揮。近所も心配するド派手な夫婦喧嘩は豪快さもありつつ、きっちりアクションとして楽しませてくれた。それはカーレースも同じで、アクションに関しては『ボーン・アイデンティティ』『ボーン・スプレマシー』でさえた演出を見せていたダグ・ライマンの手腕が生かされていた。
ただ、前述の夫婦喧嘩シーンによって、ストーリーにおける楽しみは失われる。スミス夫妻が対立する様子が面白いのに、一緒に行動するようになってからはもはや映画の目的を失ってしまったようなもの。終盤はほぼエピローグのようなものに思え、アクションが派手でも退屈するだけだ。互いにとって一番の敵はパートナーだったわけで、その関係を和解させたあとに組織との戦いに突入していっても、盛り上がるはずがない。組織内に印象強い俳優を使った悪役の存在を用意したり、敵に追われるというよりも夫婦ふたりで敵に向かって行くことによる盛り上げなど、工夫が必要だ。
スターが生かされればそれで良いという見方もあるが、スターを生かすならば夫婦和解でエンディングを迎えるというようにストーリーの整理が必要。ストーリーにおけるポイントを完全に間違った愚作だ。「楽しいスター映画だった」と感想を抱くはずだったが、余計な部分が多すぎたことにより質を下げた点に容赦なく低評価だ。
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