[コメント] キング・コング(2005/ニュージーランド=米)
公開時に劇場で観たときは、眼前に繰り広げられる世界に圧倒され、映画酔いのような状態になったことを憶えている。
その時には、この映画の放つ過剰さに感動したという感想を残していたのだが、今回、時を経て再鑑賞してみると、過剰というよりも全てを表現しようとし過ぎて行間や遊びが無くなっていることの弊害の方が気になってしまう。圧巻の映像であらゆるものを「説明」しようとしてしまっているのだ。
例えば、クライマックスのエンパイア・ステート・ビルのシーン。あれだけのパノラミックなシチュエーションでありながら、その空間性が印象に残らない。コングとナオミ・ワッツと戦闘機、人物と物体の関係性しか語っていない。その即物性にこの作品の限界と物足りなさを感じてしまう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。