[コメント] DEAR WENDY ディア・ウェンディ(2005/デンマーク=仏=独=英)
反アメリカ、ではなくアメリカ映画に向けて銃口が構えられているかのような。
アメリカに対する風刺とか寓話性とかってより、破局に向かう過程の荒唐無稽な物語展開は逆に清々しい。いいじゃねえか、別に映画なんだしってなトリアの声が聞こえてきそうだ。
ウェンディを愛撫する手つきがいい。セバスチャンに愛撫されるように触られた時はさながら姦られてるみたいだった。それで嫉妬にかられ、激情すらして物語展開を進めてくのは潔い。 スーザンが良い。ウェンディより男達に好かれてない。それにスーザンは気が付いてないみたいだ。ちょっととろいんだろうな。それもまた良い。保安官。いつもの、アメリカ映画の保安官だ。堂々たる滑稽な存在としての。
最後、人々が蜂の巣のように撃たれるのを観て、いつか観たペキンパーやイーストウッドの映画を想い出す。あの哀しくも神々しい瞬間の映像を。反アメリカを掲げていつつも、アメリカ映画に確実に打ちのめされた瞬間があるという事実を勿論トリアは気付いているんだろう。2005/12/13
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