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[コメント] 用心棒(1961/日)

20代最後の日、もう人生は終わったと絶望に打ちのめされていた私ですが、この作品(と『椿三十郎』)を20代のうちに観ていたら、20代最後の日は全く違っていたと思います。女だけどね!
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女だけど三十郎ですって言ってもいいかな?言いたいんだけど!それが無理ならせめて三船敏郎のお嫁さんにしてくださいおねがいします切実です!!!!!(その方が無理です)

うわあああ。日に日に三船敏郎の虜になっていくんですがわたし!なんと魅力的な役者さんなんでしょうか。粗野で男気溢れ、がさつなクセに繊細なセンスを持ち合わせ、好奇心旺盛なところもあるけど(何回盗み聞きとか盗み見してんだよ)正義感が強い。しかも女っ気がないところがますますそそる。それは単に「かっこいい」という単語で終わらせるにはあまりにもったいない。そんな漢っぷりにメロメロになりつつ、お茶目で可愛いところもあるもんだから性質が悪い。盗み聞きしてるところを女たちに見られて「べ」とするあの可愛らしさ!ギャー即死です。それからバサーと見張りを始末し、別嬪人妻とその一家を助け、部屋を滅茶苦茶にし、そして大満足の面持ちで外に出てきたら、別嬪人妻とその一家がまだいて、それを見た時のあのビックリした顔!マジで演技?って思うくらいビビってて、それがまたものすごく可愛らしかったー。スキューンとなります胸が。イカン。恋かも知れないこれは。

そういう三十郎の魅力は(三船敏郎の魅力でもあるかも知れないけど)女だけじゃなく、男も虜にしてしまうところがすごい。飯屋のオヤジと徐々に深まりを見せる心の通いがまた何とも憎らしい。うん、分かる!分かるよ飯屋のオヤジ!出来れば私も飯屋のオヤジの娘役としてこの作品に出たかったよ!

三船敏郎の魅力も然ることながら、今回は仲代達矢がスゴイと思いました。とても面白い役どころで、インパクトもあったし魅力もあった。でも何がスゴイって、『椿三十郎』での室戸役と全く違うところ。下手したら同じ役者だと思えないくらい。『椿三十郎』にも違う役で出てたのに、大丈夫かなこの人・・・って心配してたんですが、「アホかお前!」って一蹴された気がしました。この卯之助、今の役者だったら窪塚洋介とか伊勢谷友介なんかが演じるとハマる役っぽいですが、この2人が室戸を演じられるかと言えば、否ですよね。チャラ男とギラ男、対照的な役をシリーズ(?)の中で演じてしまう仲代達矢の演技の幅広さはスゴイと思いました。惜しむらくはやっぱりコチラを先に観てから『椿三十郎』を観たかった。あんなインパクトのある卯之助を演じた後の室戸はどんなに衝撃だっただろうと、本当悔しい。

悔しいと言えば『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』も観なければ良かった…。鑑賞中にこの作品がチラついて非常に不愉快でした。クソ。やっぱり観る順番間違えた。

それからも一つ悔しいネタですけど、ラストで「おかあさーん!」と泣き叫び、三十郎に渇を入れられたヤクザの一人。アレが冒頭で親子喧嘩していた息子だったという事に全く気づきませんでした。解説してもらって初めて気づいたってのが悔しい。でも冒頭の親子喧嘩も渇を入れるシーンもものすごく音が聞き取りにくくて、正直何を言っているのかほとんど分からなかったので、それが原因かな?と思っているんですが、もしかして気づかなかったのって私だけ・・・?

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08.04.21 記

(評価:★4)

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