3年近くの間、破綻なくトップに立ってきた影武者。しかしただ一度の失策で彼がトップを退いてすぐ、組織（武田家）は崩壊を始める。そして数多の武勲を立てた勝頼が後を引き継いでも、その崩壊は止められなかった。

結局、しっかりした組織の中では誰がトップに立っていても同じではないのか？　そして、その組織が崩れてくれば、どんな優秀な人間が率いても無駄なのではないのか？

「いなくてもよかったかも知れない人物」。この作品においては、影武者の存在自体が大いなる皮肉なのだ。

ところでオープニングの長回しにビビったら、合戦シーンでは細かくショットを割ってたりして、黒澤のジイさん、まだまだ元気だったんだな。