[コメント] 影武者(1980/日)
たくさんの軍勢を自在に操るシーンは見事なもので、まぎれもない超大作。地響きと土煙、さらには夕陽や暗闇、曇天など自然の風景さえも自らの映画の背景に取り込むかのようで、「さすがは黒澤明」と感嘆する。
ただ、何か、それだけだったような気がしないでもない。黒澤監督には珍しく、武田勝頼と重臣たちとのすれ違いや織田信長との駆け引きなど、武田家の興亡をめぐる史実にそって描いている。
そのせいか、ドラマとしては盛り上がりや深みに欠けた感がする。そこがいささか物足りなかった。画づくりにストーリーが追いついていないような感じだった。ただ、迫力の軍勢シーンは必見の価値がある。
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