[コメント] ミュンヘン(2005/米)
この題材をこの規模でこの方向性で成立させる監督は彼しかいない。
中東問題というのはイラクやアフガンの前にこのパレスチナの話がある。アメリカのリベラルと保守の問題で語られる事にはただ単に経緯を見ていなく、リベラルホークの存在も無視しているし違うと考えていた。
ただ、この問題はタブーな面があり、スピルバーグでないとこういった踏み込んだ形でメッセージは出せなかった筈だ。勿論この映画が煮え切らないという人の存在は理解するがこの映画に通底する”不毛”は徹底している。スリラーとしてのテンポの良さという快が生み出す恐怖と内面を不快にさせる苦悩の表現は充実しており、政治的映画を作る度にメッセージが半端であると批判されるスピルバーグの意地を感じた。
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