[コメント] 県庁の星(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作の主人公はもっと情けないイメージではなかったか?
織田裕二がやると、先が見えてしまって面白くない。だいたいにしてなんだか今回の織田裕二は迷惑なぐらい演技がへたくそである。いやらしいというか、わざとらしいというか、それしかないのか?という感じ。いつまでも青島刑事をやってる場合か?と申し上げたい。これではダメだ。
柴崎コウさんは、最近私が最も信頼している女優であるが、この映画では残念ながら生かされていない。それと織田裕二と恋愛関係になるような感じがしないのである。
思えば方や刑事であり、方やすれた少女である。そんな二人が別々の世界で遭遇するのは良いとして、所詮アンマッチなのである。
でもところどころにこの監督の配慮とか気遣いを感じることはできた。
二人がデパートにマーケティングにむかったシーンで、さりげなく相合傘に下を二人で歩くシーンとか、主人公が弁当の修行に行って、洗面所で手を洗っていると「手を洗って」と書いてる紙が貼ってある。鏡に映る自分の姿を見てネクタイを取ろうとすると、その遠い遠い向こう側に彼女が立っている。「手を洗って」という張り紙に隠された向こう側に小さく鏡越しにぽつんと現れる柴崎コウの姿が何とも粋である。
雨の中のシーンもなかなかエキサイティングだ。雨を思い切り降らせて主人公が生まれ変わる瞬間を演出している。こういう劇的なシーンを遠慮なく描いているところにこの監督の才能を垣間見ることができる。
全体的には若々しくて好感の持てる映画だったとは思う。
但し、やっぱりつまんない。
県庁から民間へ、という設定はともかく、映画としての真実味に欠けている。所詮映画としての題材としては足りなかったということだと思う。もう少し別の展開にしてしまえばよかったのではないか?原作を意識しすぎのような気がする。
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