コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 宗方姉妹(1950/日)

今(2024)でも通用するテーマではないか。若者はいつの世も、古いのはダメだ、新しいモノでなきゃ、と言う。私も昔そうだった。でも映画じゃないが、「新しいモノって古くならないモノじゃないのか」。それならそれは何だろう、というのがテーマだ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







それは、‘自己の確立であり、本当の自分に嘘をつかないこと’ だと大佛(おさらぎ:原作者)は言う。

これを主人公の女に言わせている。新しい(今2024でもいえる)女像だ。

一方、登場する男2人は、何とも情けない。田代(上原謙)はプレイボーイで「結婚を申し込んで断られるのが、コワかった」と言い、三村(山村聰)は無職でイライラし、妻に昔恋人がいた事を知るに及んで、今も付き合っているのだろうと妻を打擲するのだ。

上原、山村、特に山村のこんな役は初めて見た―まさかの、ですね。それはともかく、今でも(こればっかりですが)こんな男は多い。

そして、彼の死が自殺なのは明らかだ。何か薬を飲んでいるシーンがある(伏線)し、就職は全くの嘘で、姑息な彼は死後も妻に影響を与えたかったのだ(それは見事に成功したといえる)。本作は何と、ここに至ってミステリーになっているのだ。

しかし、大佛が本当に言いたかったのは、反面教師で、「男よ、もっとしっかりせよ」と言いたかったのではないか(1950年作だからね)、と今これを書いていて、思った。4点→5点にする。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。