コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 麦秋(1951/日)

登場人物の多さが、今ひとつ生きていなかったような気がする。☆3.4点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







笠 智衆が兄を演じている。親夫婦と長男夫婦とその息子2人、そこに未婚の妹28歳。小津監督の性向は承知しているが、正直登場人物が雑多な感が拭えず、もう少し(あからさまに)心情が描かれてもいいような気がした。

親夫婦が今ひとつ生きていない。はっきり言ってしまうと菅井一郎笠 智衆と比べるとどうしても弱い。一方笠 智衆の方も兄という立ち位置を上手く表現し切れていない。だからこそ2年後の『東京物語』があるのだろうが…。この家族で収まっているのは兄嫁の三宅邦子位か。

肝腎の原 節子も、『晩春』で見せた迫力と較べるとどうも弱い気がする。見合い相手や上司、最終的な嫁ぎ相手の描き方も余りに淡白過ぎるが、ま、そこは小津映画故にこだわらない。しかし紀子の見せ場はもう少しあった方が良かったのではないだろうか。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。