[コメント] 東京物語(1953/日)
心に染み入る。
全体としては、メリハリがないような感じで、昨今の映画とはだいぶ趣が異なる。
冷静に考えようとすれば、ここには、ごくありふれた日常的な「家族」の姿を描いているだけのようでもある。なんとなく、その辺にでも、そして自分の身近にもありそうな話である。
日常の生活において起きるいろいろな出来事のなかで、私たちにも色んな感情が湧き起こり、そして時にはその余韻を残しながら、再び「日常」の生活に戻っていく。
しかし、何も起きないのが「日常」の生活だろうか?いつも何かが起きていて、そしてその度に心を動かされているけれども、過ぎ行く時のなかに、それを埋没させる、あるいは忘れ去っていくことが「日常」ではないだろうか。
この映画はそんな、「日常」のなかにある私たちの心の動きを、素晴らしいものとして切りとって、私たちの前に提示してくれたような気がした。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。