[コメント] 東京物語(1953/日)
何だかすごい映画を見てしまったという印象が僕を包んだ。何も云えない。
吉田喜重の言葉を借りて、この作品の記憶としたい。
「『東京物語』と心置きなく対話するためには、それなりの手立て、手続きといったものがおのずから求められ、ついには小津さんらしいというしかなかったにしても、そのただならぬ映画世界をあらかじめ見きわめる必要があっただろう。事実、これまでさまざまな視点から小津作品を思いめぐらしてきたのも、やがては『東京物語』に行きつくためのひそかなる準備であり、その試行錯誤にほかならなかった。
それにしても『東京物語』について語ることは限りない歓びであり、そのいささか陰りもない、まばゆく透明な映像を心に思い浮かべるだけでも、名状しがたい至福感につつまれる。」
吉田喜重「小津安二郎の反映画」岩波書店 より
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