コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゲド戦記(2006/日)

「アニメ映画」を分不相応なステージにまで引き上げてしまったヲ○クと、その事象を真に受けて勘違いしてしまった製作者サイド。
sawa:38

スタジオジブリって何か神聖視されてるらしいから迂闊なことは言えない。ここのファンは何か煩い感があるからなぁ。(偏見だってことは承知しています)このアニメ映画はどの辺りの観客層をターゲットに製作されたんだろう?アンパンマンなんかのアニメとはきっと違うんだろうね。もうちょっと大人の層なのかな?もしかしたらファンタジーゲームの世界が(現実の世界より)身近な存在の例の世代か・・・なんてね。

この作品は独立した一本の作品としてはその体を成していない。何か壮大な原作ってのがあるらしいがそんなの知ったことじゃない。二部作三部作とか前もって銘打ってなきゃそんなの理由にゃならないんだよね。ストーリーや人物の設定が極端に不足してるのを長い原作のせいにしたら監督失格だな。これは監督の表現不足だし、そもそも映画化の構想時点で失敗でしょ。

龍とか剣とか魔法使いとか本名がどうしたとか・・・おいおい、きっと理解出来る人々にはきっと当たり前のことなのかもしれない。だけどここの製作会社に好意的な理解を示さないおじさんには何のことかさっぱりわかんねぇし・・・父殺しの人格分裂の少年はいったい何だったのだろう?

繰り返し説教される「世界の均衡」なんて言葉に代表される小難しい台詞群。どの辺りの観客層が理解するんだろう。台詞が画を圧倒する映画なんてひと昔前のATG映画を思い出す。そう、監督のひとりよがりをフィルムに納めただけの「芸術映画」たちだ。

ちょっと極論を言わせて貰います。アニメ映画ってのは「何を言いたいか」じゃなくて「何を描きたいか」でいいんじゃないかと思うんですよね。実写で実現不可能な画をアニメっていう道具で表現すれば良い。

それでいくと本作で描かれた城下町の色彩感覚には脱帽しました。背景画の町並みは凄い仕事してるなぁと脱帽です。

でもそれだけです。アトは監督の「何を言いたいか」を延々と台詞で聞かされる。高尚な芸術映画の領域にまで踏み込もうとした感があるんだよなぁ。これって制作サイドの思い上がりなんだけど、「アニメ映画」を分不相応なステージにまで引き上げてしまったファンにも責任があるような気がしてならないんだよなぁ。

(評価:★1)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)草月 Santa Monica

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。