[コメント] 狂熱の季節(1960/日)
ハードボイルド系ナンセンス落語。本邦ヌーヴェルヴァーグの筆頭格な傑作。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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全編に横溢する外連味が素晴らしく弾けており、中平でもゴダールでもないオリジナリティがある。多用されるアップの仰角、振り回すキャメラとカーアクションの爽快な組合せ、突然の絵心溢れる遠景。
川地民夫の無茶が印象深く刻まれてゆく。積極的に内容のない話のまま終わらせるかと思いきや、ラストの堕胎を求めた産科における男女の組合せの交換で見事にオチがついた。本作はこのオチに向けたナンセンス落語だったのだ。アメリカの裏主題や岸信介のTシャツみたいな冗談はここに回収されている。
嫡子の不在と逸れ者化。そういったなか黒人とのホモセクシャルな水泳の件が肯定的に描かれて印象的。ヤクザ出入りによる死など終盤に泣かせが微妙に残っているのもこの際興味深い。
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