この上なく器用な男と、この上なく不器用な女たち、とも言える。

殺し屋でありながら模型好きで、料理も上手く、自分の身が危ないと分かれば巧みに立ち回る術も心得ている男。そして、過去に傷つき、または未来におびえ、次の一歩を踏み出せない女たち。

この両者が最初から混ざりあうはずはなかった。沖縄で真昼に星空を見ることができないように。

由起子やサヤはこれからも沖縄で生きていくだろう。しかし、リャンソンはいつか再び「真昼ノ星空」を求めて、彼にとってのヒマラヤを目指すのかもしれない、そんな気がする。