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[コメント] プリースト判事(1934/米)

「音」が印象的。酔漢フランシス・フォードが痰壺に唾を命中させる音やホイッパーウィルの鳴き声。そしてもちろんラストでステッピン・フェチットらが奏でる狂騒的な音楽。法的な正当性をあっさり超越してしまうただただ楽しい結末にはヤられるしかない。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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物語の本筋だけを見れば、このウィル・ロジャースはほとんど「何もしない男」だと云える。裁判はロジャース不在で進むし、被告デヴィッド・ランドーを救うのは牧師ヘンリー・B・ウォルソールの証言だ。その後の狂騒を導くのもあくまでフランシスとフェチットである。確かにウォルソールを召喚したのはロジャースだが、そのとき彼はもはやプリースト「判事」ではないのだ。

しかしながら、それでもこの映画の魅力の多くはやはりロジャースに拠っている。声音を使い分けた一人二役。墓地での一人芝居。他にも、蝋燭を灯してロジャースの影が浮かび上がる(および蝋燭を吹き消して、影が暗闇に溶ける)ショットやロジャースの姿が写真の額に映りこむショットなど、純粋に画面的な見所にも多く彼が関わっている。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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