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[コメント] アウトブレイク(1995/米)

コロナ禍で観直された作品。速攻で町封鎖してすぐテント村が完成するアメリカは文明国だなあと思わざるを得なかった。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







コロナ禍への知見としては、中国の蝙蝠が抗血清を持っているのではないだろうか! と思ったのだがたぶん違うんだろう。こういうことは軽薄に書いてはいけない。

話の主眼はリベラル派の製作者が米軍の暴走を窘めるという処にあり、出来は薄味だがそれは結構なことだと思う。アメリカの防疫の中心が民間のCDCと軍のUSAMRIIDがある、という奇妙な事実が本作の面白さを支えている。軍組織のサザーランド以下が内緒で培養していた兵器用の細菌話になるのだが、そんなもん軍が関与したら訳アリになるのは当たり前だろうと思う。731の経験のある日本では考えられない、と思うのだが甘いかも知れない。

隔離しようとする軍、包囲網を突破しようとするヤンキーの衝突描写など、アメリカっぽいなあと呆れてしまう。喧嘩両成敗なんだろうか。曰く云い難いこういうニュアンスは映画の褒め処なのかも知れない。人口2600人の町の封鎖なのだが、そんな小さな町に映画館はあるだろうか疑問。だがこの映画館での空気感染のアニメは恐ろしいと思わされた。

物語のつくりは平凡、喧嘩腰の元妻とか理論ばかりの初心な新人とか。ダスティン・ホフマンの離婚妻との再会話は、製作者が『クレイマー』のファンなんだろうかと思わせた。映画としては、最初に感染して空港でぶっ倒れる男の廻りをグルグル廻るキャメラが愉しかった。あとはヘリの曲芸飛行がときどき面白いが断片にとどまる。君はいつ寝たと問われたワーカホリックなケヴィン・スペイシーの「7月に寝ました」という投げやりなジョークが素晴らしかった。

(評価:★3)

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