[コメント] 楽日(2003/台湾)
面白い。終始くすぐられて面白く見る。まず、映画館の映画である、つまり、紛れもなく主役は映画館という建物である、ということがいい。
楽日の最終上映が胡金銓の『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』(『龍門客桟』/『DRAGON INN』)ということでも感激する。さらに、この上映されている映画の俳優が2人、観客として映画を見ているのだ(本作の英語題名は『GOODBYE, DRAGON INN』)。
例えばトイレで煙草を喫いながら用を足す男たちのショットなど、現実にはあり得ない時間感覚であったり、他にもカット尻が無駄に長いと感じる部分がチラホラあったりするのだが、しかしこれこそが本作のリズム感だろう。上映が終わって館内を映したショットで、思いの外大きな映画館であったことが分かるのだが、女(映画館の従業員、チェン・シャンチー)が掃除をするロングの画面は、まるでジャック・タチのような画面、タチのようなリズム感。この映画もミニマルではあるが、完璧な映画を目指して作られている。
しかし、一番可笑しかった部分は、観客席でナッツを食べながら映画を見ていた女が突然消えて、三田村恭伸が幽霊と間違え、うろたえる場面だ。すぐ後ろの席に女が忽然と現れた後の彼のリアクションはちょっと理に落ちた感があるけれど。
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