[コメント] 父親たちの星条旗(2006/米)
「正義」と「悪」。戦争とは決してそう単純なものではない。しかし、国家に「英雄」に祭り上げられた3人を静かに見つめる事によって、戦争の悲劇を絶妙に描いている。しかし、なんか一つ足りないんだよなぁ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本作はエンターテイメントとしての映画では決して無いと私は考えます。事実をありのままに冷静に見つめた作品です。
エンターテイメントとしての映画的興奮要素を出来るだけ排除する事により、いまいち私の感情が深く揺れる事はなかったものの、イーストウッドの本作に臨む意気込みと姿勢には感服しました。イーストウッドは本作において、国に対して意見してるんじゃないでしょうか。戦争では「善」「悪」を明確に分けなかったのにも関わらず、英雄として祭り上げられた3人を国による被害者として撮っている。
主人公の3人にはそれぞれの役割が明確に分かれており、それがイマイチ面白みに欠けた。
個人的には、ドキュメンタリーのように冷静に映画を撮るのも結構だとは思うけれど、やっぱり勉強するような映画ではなくて、もっともっと深く人物像を掘り下げて、私たち観客の琴線に静かに触れてくるような演出の方が好きです。
誰にでもお勧め出来る作品では決して無いけれど、イーストウッドの良心とも言うべき本作は一件の価値あり。
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