[コメント] セプテンバー(1988/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ウディ・アレンの新作ということで、封切りを劇場に見にいきましたが、『ラジオ・デイズ』の後では痛過ぎる作品でした。
しかも、前の上映を見て出てきた女性の一言がひっかかって、物の10分で結末が見えてしまったというおまけつき…というくらいに浅い映画をアレンが撮ったというのも、ちょっとショックでした。
今、ネタバレ申告したので、その言葉を書いても差し支えないでしょう。
「あの人、お母さんをかばったの?よくわからなかった」
みたいな趣旨のことでした。そういう会話は、劇場出てからやってくれい。
同じ「わかんない」発言でも、『背信の日々』を見に行ったとき一緒になった中年女性の、「どっちがいい人で、どっちが悪者なのか」の方が、笑わせてくれた分マシでした。
話は変わりますが。
当時たまたま見たドラマ(これもおもしろくなかったことしか覚えていません)で、不倫だか何か、夫にとにかく隠し事をしている女性が、アリバイ工作に「映画を見ていた」と答え、当然聞かれる「何見たの?」の質問に、この『セプテンバー』のタイトルを挙げていて、あまつさえ、「いけない、まだ公開されていないんだった…」みたいなことを、胸中で独りごちるというシーンがありました。
おもしろくも何ともなかったこのドラマで、このシーンだけが引っかかったのは、
・浮気しようが夫に嘘つこうが勝手だけど、それに映画を利用するのは許せん!
・それも、よりによってどうしてあの映画?アレン作品の名前を挙げておけば、知的っぽいとでも思われると思ったのかな?
と、この2点によると思われます。
同じ「不倫隠しに映画見たことを偽る」ものとしては、「金妻」シリーズで、森山良子が奥田瑛二とただならぬ関係になったとき、何を見たの?と聞かれて、『刑事ジョン・ブック』と答えているシーンを思い出します。そのとき、人の好さそうなダンナや子供たちは、「ハリソン・フォードの?おもしろかった?」とちょっと興奮気味に聞いてきて、それがまた良子ママのハートをちくちくする、というような描写だったのですが、映画ファンの鎌田さんらしい処理だったなあと、今でも覚えています。
そういえば、当時、うちの田舎では、このドラマのモチーフになったらしい『恋におちて』と、『刑事ジョン・ブック』が併映でした。
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