[コメント] ファザー、サン(2003/露=独=伊=オランダ)
画面の歪曲、音響操作など、ソクーロフ的方法論を現代的な意匠の中で実践してみた意欲作とでも言えようか。明るい画面と短めのカッティングはこれまでの作品には無かったもの。身体の密着、寝そべる人、挿入される窃視のカットなど作家的特徴は本作でもよく見られる。路面電車が登場するのも良い。
これまでには無かった、といえばマリーナ・ザスーヒナの扱いもそうだろうか。ソクーロフ映画の女優としては例外的に美しく撮られている。出番は多くないが、序盤の窓枠の隙間を通した会話(早すぎる切り返しが印象的)やベランダからの息子との別れの場面など飛び切りの見せ場が用意されている。
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