[コメント] パプリカ(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
妙なキャラクターの薄っぺらさや、ものを作る際に「観客を楽しませよう」と言うより「これやったら面白いんじゃない?」みたいな考えでやってるんじゃないか、と言う印象は『千年女優』の時にも感じたもので、まあそれは僕が今監督とあまり相性が良くないせいなのかも知れないのであまり問題じゃないのですが。(所詮は個人の価値観の問題だし、面白さでカバーできるので。そしてこの作品ではカバーできていたので)
しかし、過剰なコスプレや、どう見てもサービスシーンとしか思えない女性キャラのパンチラあるいはヌード、そんでもって触手と言うのは個人的には嬉しかったりもするのですが、一歩離れて見たときに、その存在意義には首を傾げざるを得ません。
サービスシーン然として作っちゃってることで、エログロらしさと言うか、そこに感じるいかがわしさ、背徳感、気持ち悪さといったものが皆無になってしまい、キャラクタともども作品全体に薄っぺらい印象を与えてる気がします。
またそうであるがゆえに、これって海外とかに出たとき、作品性ではなく『うろつき童子』みたいにロリコンファンタジー(死語)の延長として受け入れられちゃうんじゃないのかと。というか僕自身がこの作品をそういう目で楽しんでしまいました。
ビジュアルとしても『イノセンス』『平成狸合戦ぽんぽこ』『千年女優』といった既存の作品を髣髴とさせるものが多く、総じて口の悪い言い方をすれば「志の低い」作品に見えたのが残念でなりません。
アニメとして、その質は間違いなく上質であるだけに余計そんな事を考えてしまいます。
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注)言い訳じみてしまいますが、『うろつき童子』が志が低いと言うわけで発言した訳ではありません。悪しからず。つか観てないのでそんな偉そうなことは言えませんし。
ただ『うろつき』がポルノ的な側面があるばっかりに、観客の視線の方がそういう描写に行ってしまいロリコンファンタジー的なものの金字塔になったのは事実だと思います。
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