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[コメント] アポロ13(1995/米)

アポロ計画がNASAのやらせでも、この映画が実話でなくても別に構わない。
NAMIhichi

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「1969年、アメリカのアポロ11号によって、人類は月面着陸に成功した」

ということになっている。その頃まだ生まれていない自分は、ふーんそうなんだぐらいにしか思っていなかったが、「月面着陸はNASAのやらせである」という、人類は月に行っていないという説を主張する人がいることを知って、がぜん興味がわいてきた。どうも映像とか写真をよく調べるとおかしな点があったり、当時の宇宙服にも問題があるらしい(当時の宇宙服では月に行くのは無理)。私は単純なので、「なるほど、これは月なんか行ってないな」とすぐに思った(要はやらせの方が面白いからだが)。別に事実がどうあれ、私は何とも思わないが、もし本当に月に行っていないとすれば、私の親の世代にはかなりショックな話だと思う。面白がるのはよくないかも知れないが、結局はそういう疑いを自分の国の人間からも招いてしまうアメリカという国に大きな問題があるんだろう。アメリカが自国の威信をかけて、地球で撮影した映像や写真を、月で撮ったもののように加工して月面着陸を演出したよ、と聞けば、多くの人が実にアメリカらしいと思うのではないだろうか。もしそれが本当なら、別の意味でかなりの「偉業」ではある。事実はどうあれ、この説を支持する人には、「アポロ計画」そのものがうさんくさく思えるに違いない。では、アポロ11号以降、12号や13号はどうなのか。12号からは本当に行ったのだろうか。

そこで、この映画『アポロ13』だが、アポロ13号が打ち上げられたのは、アポロ11号の月面着陸からわずか9ヵ月後。3度目の月面着陸を目指したといわれる。9ヵ月で宇宙服が進歩したのだろうか。打ち上げ時刻が13時13分と聞くと、ほんとかよと言いたくなるが、「何しろこれは実話なのだ、なんとドラマティックなことかと素直に驚こう、ハハハ」などと、私のように皮肉な見方をするのは間違いというものである。

「この映画は感動するよ、何しろ実話なんだから」とよく言う人がいるが、実話であればどんな映画でも良いかというとそうでもない(なぜなら実際の人生はたいして面白くないから)。逆に実際の人生には起こり得ないことを描いて、観る側を魅了してくれる映画もある。もしかしたら、『アポロ13』という映画を観るときも、実話をもとにして作られているという点が、観る側の感動、あるいは評価に大きな影響を及ぼすことがあるかも知れない。でも、この映画を観て、地球に生還した場面で素直に感動できれば、実話であろうがなかろうが別にどうでもいいのではないだろうか。

アポロ13号についても疑いの目が向けられているかどうかは知らないが、私は「これは本当に実話なのか」と疑いながらこの映画を観てしまった。でも、それでも生還したときは感動したし、よかったと思った。自分は単純な人間だと思うと同時に、実話であるかどうかは映画にはあまり重要ではないと思った。むしろ、実話であるということがその映画に必要以上の価値を与えるとしたら、他の映画に失礼なような気がする。歴史上の実話や、実際に起こった、耳を傾ける価値のある話は、何も映画を通さなくても知ることができるのだから。映画における実話の重みは、その実話が持つ実際の重みとなんら変わるものではない。

それにしても、世の中には身も蓋もないことを考える人がいるものだと思う。やらせだったらとても面白いが、人類は本当に月面着陸したのか、事実はどうあれ私が死ぬ前には明らかになってほしいものだ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人) ジョー・チップ[*] kazby

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