[コメント] 群衆(1941/米)
フランク・キャプラの「ゴールデン・バランス」をあえて崩したような、ちょっとダークな社会派ファンタジー。迫力のあるシーンの数々はさすが。
特に、雨の大会シーンの狂騒と、雪のイヴのラストシーンの沈寂のコントラストは印象的。
ロマンス、コメディ、ファンタジー、それに社会問題、この4つがフランク・キャプラの四大元素とすれば、この作品は社会問題の要素があまりにも突出してドラマを貫いていていて、他の要素はそこここで散見されるものの、ドラマ全体に対して有機的に作用すること無く、要素のままで埋没している。
その意味では消化不良をおこす作品だけれども、ある意味、全体のバランスを崩してもフランク・キャプラが言いたかったテーマは、戦争へと向かうダークな時代を反映した切実感がある。
エドワード・アーノルド演じる権力者の人物造形の懐の深さに、批判のための批判に楕することのないフランク・キャプラの社会派としての真骨頂がある。
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