[コメント] となり町戦争(2006/日)
本作には得難い美点、重要な指摘がある。こんなダサい映画に仕上がったのは、国民に目覚めてほしくない黒幕の差し金ではないだろうか。オーシマかマスムラで観たかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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美点は素晴らしい着想と、余貴美子他の縦割り役所の喜劇的構造の戯画(経験者として申し上げるが、正にこんなものだ)。とりわけ原田知世のマニュアル通りな発言の数々はケッサクで、江口洋介一流の自然人な造形とのすれ違いに妙味がある。
指示通り慰安婦までやったと判明する原田。「僕は戦争で多くの感情を失いました」と云って去る江口。脚本と演出と撮影と美術と編集と音楽に才覚があれば強烈な着地点だっただろう。地方議会の動向などほとんど誰も知らない訳で、今度の統一地方選も無投票選挙区だらけ。原田の「議会の決定ですから」には虚をつかれるリアルがある。
何が詰まらないかを書く気力はないのだが一点だけ。冒頭の駅舎における線路挟んだキャッチボールはとてもいいショットだ。このネタを大して転がさないのはもったいない。
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