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[コメント] ナイト ミュージアム(2006/米)

春休み子供映画に最適。吹き替え版で観るべし。(レビューは結末に言及)
てれぐのしす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







別れた女房は勝ち組の彼氏と幸せそうで、どうやら息子の心の中からも自分は次第にフェードアウトしつつあるらしいのに、わかっているのに、人生を立て直したくて必死なのに、どうしてもうまくいかない男がせめて息子にだけは自分が頑張っていることを知って欲しくて、この博物館で夜な夜な起きている奇跡を見せてあげたくて奮闘する様を、愉快なコメディとして楽しめる人たちは間違いなく主人公とは対極の人生を歩んでいる人たちだと思うし、それは素晴らしいことだと思う。

実は前半、身につまされる描写が多く観ていて辛かった。実の息子とその友達の前でクビを宣告されてしかも哀願する光景は、息子に恥をかかせる辛さと屈辱の極致であり、どうかどうか早くハッピーエンドにしてくれと自分がスクリーンに哀願したくなった。 この映画に深遠なる歴史へのリスペクトなどあるわけもなく、そこにあるものは、

「どうだい?凄いだろ?信じられない素敵な奇跡をパパはお前に見せたかったんだ。職を転々とし、どうしてもうまくいかないダメなパパだけど、お前を愛してるんだ!」

これだけである。でもこれで充分だ。泥棒を追いかけてルーズベルトの馬を駆る主人公のなんと勇敢でかっこいいことだろう。債権トレーダーなんてハゲタカ稼業よりもはるかに男らしく、そして人間くさい。

春休みに子供が観るのに最高の映画だ。特にあなたがやるせなさ一杯の、ダメなパパならばなおさら。

(評価:★3)

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