[コメント] ホリデイ(2006/米)
まずはバランスがいい。人物配置もそうだが、善と悪、もしくは倫と不倫のそれがいい。話の構成にも美がある。なにより役者陣が輝かしい。だが阿呆臭い。
なぜなら映画とは、いや人生とはバランスではないからだ。キャラクターの振幅の幅を大きくすると、個々のバランスがとりやすいのだ、ということはこの映画を見るとわかる。だがわれわれが見たいのはバランスではなく、人間だ。というか、世の中にはいろんな人間がいるのだから、振幅の幅をより小さくして人間を描いて見せるのも芸のうち。幅が大きいと言ったって、作家の観念を超えるものではないので限界がある。観客に挑んでいるのだとしたら、その心意気は買うが、一定の層からは冷ややかに見られてしまうことを折り込んでいないのであれば、浅はかというものだろう。
60/100(07/04/24見)
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