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[コメント] ブラッド・ダイヤモンド(2006/米)

世の中には知らないことが多いから、現実の重さを知るきっかけとしてはほど良いのかも。綺麗にまとめすぎたの感あり。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 己の度胸と才覚のみで、危険な取引きの世界に身を投ずる男(レオナルド・ディカプリオ)。こういう男は、実際にこの世にいるわけだ。われわれの実人生とはかけ離れているので、一体どういう背景がこういう男を育むのだろう、という疑問が自然に湧く。これに対しこの映画は、ただ傭兵上がりである、という回答を与えるだけでなく、ローデシア(旧国名。現ジンバブエ)生まれの白人で、両親が黒人に惨殺された体験を持つ、という<種明かし>を挿む。とてもわかりやすく、観る者に優しい。だがこれは余計なことと私には思えた。実際にそういう男がいたのかもしれないが、せっかく物語として描くのだから、もっと普遍性を感じさせるべきでなかったか。これでは、この男に寄せられる感情は、共感ではなく同情、つまり憐れみだ。少なくともジェニファー・コネリーの方は、ごく普通の(もちろん優秀な)野心家ジャーナリストとして描かれるのだから。

 パンフレットを読むと、作り手たちは、最後主人公がどういう行動に出るか、わからないようにしたかったのだという。言わば感激の瞬間をこのポイントに持ってきたかったということだ。しかし私には、少し前から彼にどういう行動を取らせるつもりなのかがわかってしまった。それを隠すために迷彩を施しているのだということも。別にそれが悪いことだとは言えない。なんとなく、物語として小さくまとまってしまったような感じがしただけだ。

80/100(07/09/24記)

(評価:★4)

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