[コメント] ハンニバル・ライジング(2007/仏=英=米)
品がない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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脚本に原作のトマス・ハリスがかかわっているわけだから、もっと緻密な話なのかと思ったが、残念ながら品のない、ほぼ予想通りの肉食映画だった。
思えば17年前である。『羊たちの沈黙』。アンソニー・ホプキンスが一躍メジャーに躍り出た作品。そしてジョディ・フォスターとともにアカデミー賞を受賞した今も人気のあの映画である。
その後の『ハンニバル』、『レッド・ドラゴン』と、いずれもレクター博士の残虐性と、他人の心理を読み取る鋭く研ぎ澄まされた感覚。あの知的で残虐なキャラクターの存在と、アンソニー・ホプキンスの名演がこのシリーズを支えていた。
今回はさすがにアンソニー・ホプキンスを登場させることはできなかったのだろう、遂に彼の生い立ちに着眼したようだ。
その残虐性の所以が、妹の虐殺によるものだというのはよくわかるが、医者になって後、彼独特の話法と論法、そして心理的な恐怖についてどこで習熟したものなのかは語られていない。
クラリスとの対話で溢れる知的悪魔の所以は語られていなかった。
品が足りない。
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