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[コメント] ハンニバル・ライジング(2007/仏=英=米)

何故人食いになったのか?ハンニバル・レクターの過去が明らかにされる。映画を観てから、原作を読んだほうがいいだろう。
paburo57

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「 ハンニバル・レクターは何故誕生したのか。万能の天才といえるほどの人食いハンニバルの誕生秘話。

 「レッドドラゴン」「羊たちの沈黙」「ハンニバル」「ハンニバル・ライジング」と原作を先に読みそして映画を観てきた。このシリーズは「羊たちの沈黙」に止めを刺すのは誰もが認めることだろう。しかし、今回の「ハンニバル・ライジング」ではその誕生が、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線での経験と家族を失ったあとに育てられたおじ夫婦との生活がハンニバルを作りあげて行く過程を描いている。

 おそらくトマス・ハリスは親日家なのだろう。それが色濃く原作に描かれているが、しかし、そこに描かれる日本文化は若干の違和感を感じさせる。しかし、この映画では、その違和感が決定的になって出てくる。他の外国映画から観ればまだましなのかもしれないが、それでも、私の好きなハンニバルシリーズにしてこの違和感はいただけなかった。日本文化に詳しい日本人をスタッフに加えるだけでこの映画は日本人にとっても納得できるものになったはずなのに、これは、トマス・ハリスの責任と言うよりも、監督の資質によるものだろう。

 脚本はトマス・ハリス自身だと言うことからしてみると。映画はハンニバルの精神的成長の内面を描くよりも、出来事を描く形になっている。出来るならもう少し精神面を描いてほしかった。「羊たちの沈黙」がそうであったように。

 しかし、それでもなおこの映画は面白いと言っていい。ハンニバル役の役者はだんだんアンソニー・ホプキンスが若かったらこんなだろうなって思わせる。

 おそらく「ハンニバル・ライジング」はハンニバルシリーズの最後になるのではないだろうか?もし、続編が出来るとしたら、ジョディーフォスターのクラリスが復活し、アンソニー・ホプキンスのハンニバルのその後しかもう描きようがないだろう。それほどに「羊たちの沈黙」は最高のキャスティングだった。「ハンニバル」も「ハンニバル・ライジング」も原作に忠実とは言えずその味を十分に出しているとはいえない。今回もその点に苛立ちを感じてしまう。大すきなシリーズだけに、もったいないという思いが強い。

 映画を先に見てから、原作を読んだほうが楽しめるかもしれない。

(評価:★3)

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