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[コメント] 情痴 アヴァンチュール(2005/仏=ベルギー)

堂々フランス映画。予想外に面白かった。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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サニエ嬢見たさに劇場に足を運ぶ。 フランス製サスペンスにありがちな雰囲気だけで、年に数本掴まされる「観た記憶さえ怪しい」忘却の彼方に忘れ去るようなツマラン映画だろうと期待してなかった。

いやいやどうして。男が女に振り回される古式ゆかしい堂々フランス映画。面白かった。 新鋭監督だそうで、これからが楽しみです。

夢遊症という(映画的には)突飛な設定は、往々にして“出会いのきっかけ”だけで終わってしまいがちになる。 この映画はその設定をきちんとストーリーの根幹に置き、突飛な設定であるにも関わらず“男と女”という普遍的なテーマを物語の中心に置いている。そしてフランス映画の王道「女はワカラン映画」でもある。

面白いのは、この主人公の男、職場シーンが多いのだが、あまり仕事をしているように見えない。 一方、サニエ嬢の男は、仕事をしているシーンが全然ないのに成功者に見える。 主人公の彼女もまた仕事の成功者として描かれており、その対極の様にサニエ嬢と主人公は「人生の徘徊者」として描かれているような気がする。

この映画が予想外に面白かった所はこういうところで、決して人物を丁寧に描き込んでいるわけではないのに、スッと腑に落ちる人物描写を見せるのだ。

(評価:★3)

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