[コメント] 小原庄助さん(1949/日)
菊花に東宝のロゴが出て、続いて鐘をバックに「SHINTOHO」のロゴが出る。実は、本作には清水宏らしい印象的な道のカットが、ほとんど出てこない。
その代わりに、主人公、小原庄助さんと呼ばれる大河内伝次郎の屋敷の描かれ方が見事なのだ。屋敷内から開け放たれた入り口を撮った縦構図。入口から向こうの田んぼが見える。2回ある屋敷内のドリー横移動には目を瞠る。1回目は、玄関口から屋敷内で行われている清川虹子のミシン教室を通って、奥の部屋まで数十メートル移動する。カットの終わりで、婆やの飯田蝶子が借金取りの田中春男を部屋に案内する。これも動的な感覚を増幅している。2回目は、競売会場の部屋から、庭を横切って一人たたずむ大河内の妻、風見章子への移動。
あと、大河内は外出時にロバに乗っているのだが、だだっ広い土地をロングショットでロバと大河内が撮られたカットが多い。ロバが独り屋敷へ帰っていくシーンが最高だが、こゝも畦道のようなカット。そんな中、ラストになって線路沿いの道を歩く、大河内と風見の遠景カットが来る。清水らしい道がやっと見られて快哉を上げるのだ。
#大河内が競売中に芸者遊びをする場面で、歌手の赤坂小梅が登場。この人のインパクトすごい。
#「終」でなく「始」と出る。その後も黒画面に主題歌がワンコーラス入る。
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