[コメント] 雲がちぎれる時(1961/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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収束のバスの転落は驚いた。峠の七曲りを行くバスのカットはジェットコースターのように恐ろしく、科白でも事故事故と前振りがあったからまさかとは思っていたが。佐田が倍賞千恵子と結婚するのだって充分悲劇なので、そこまでしなくてもいいんじゃないのだろうか。だいたい有馬の再逃避とバイクの激突は何の関係もない。ラストのトンネル開通は、バスの運転手さんご苦労さんと労うニュースフィルムみたいになってしまっている。
原作通りなのか新藤兼人の追加なのか。本編の積み重ねへの自信のなさが、この派手な転落を選んだように見えてしまった。
全体にも、三十路有馬の魅力たっぷりだったのに、作劇上はどうも空廻っている。人の子を我が子と葬る立派さも、これではナスチズムに見えはしないだろうか。ただ、仲代達矢の半端感は、戦死する夫一般の唐突さなのだろう。漁夫の利ばかり話題になる朝鮮戦争で被害を受けた数少ない日本人の類型がある。佐田はすれ違いメロドラマの王様の貫録。
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