[コメント] 300 スリーハンドレッド(2007/米)
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序盤、少数精鋭で訓練度も士気も高いスパルタ軍が、狭路に敵を誘い込み密集隊形で防御→反撃の所は見応えがあった。確かに数を頼りに、しかも寄せ集めのペルシャ軍には一旦引き込んで叩いておけば、所詮烏合の衆、地の利・人の利を得て戦術的に一気に有利になる。
なるほど〜、こうやって多勢に立ち向かったのか〜と感心したが、そこからおかしくなった。
出て来るペルシャ軍が、スパルタ軍から見たら辺境の未開人に感じたかもしれないがあの風貌はないだろう。仮面軍団はいいとしても、トロルのできそこないやサイ、怪物としか思えない首切り人など、まるで『ロードオブザリング』のサウロン軍の様相。いくらアメコミ原作とはいえ、まるでファンタジーになってしまった。
それに伴いスパルタ軍も戦術がほとんどなくなり、ただ気合で戦っているだけ。もうスパルタとペルシャの戦いではなく、アンドロイドと怪物の戦いになり、一気に冷めてしまった。取ってつけた様に、子を殺されて逆上する隊長が親子の情を示したシーンがあったが、戦場で敵に背を向けて笑ってるほうが駄目だろ。戦士なんだから・・・。またスパルタの隊長なら、「息子は戦場で死んだ!これがスパルタの死に様だ!」とか言って周りを鼓舞して欲しかった。
そんな調子だから、彼らの死に様も自業自得だろ、他にやりようはなかったのか・・・と思い、その為最後の「レオニダス王の為に!」の台詞が心に響かなかった。『ブレイブハート』でも同じようなシーンがあったが、大分印象が違う。
まあ不満点を挙げていったが、もう少し歴史的背景を出して欲しかったなと思うのは自分が歴史大作好きというのもあると思う。完全なフィクションではなく、300人で防いだという歴史があるのだから。またもちろんアクションや効果音の派手さは良かっただけに。
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