[コメント] ゾディアック(2007/米)
ゴールまでの一本道を、曲がりくねらせ枝やパーテーションを増やしていって迷路は作られる。ディテールの集積が、ゴールへの近道どころか壮大な幾何的パズルになっていく皮肉。
迷宮入り事件をできるだけありのまま丹念に描いたことで、大量の情報が真実の上に山積みされていって、それがどんどん見えにくくなっていく、という一つの本質をスリリングに描いているところが個人的には好きな点。あいまいな情報、間違った情報、それらが透明のレイヤーのごとく一本道の上に、線や壁や重ねていくのだ。…だからこそグレイスミスは魅了されていくのだ、という持っていき方も上手い。
マンガ家、記者、刑事の主役3人のあやしげで不安が漂う面容、マンガ家の奥さんの聖家族的美形顔がいい。キャスティング超絶妙!
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。