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[コメント] 花芯の刺青 熟れた壺(1976/日)

北川たか子が軽快な音楽に乗って歩いて来て、川の側の家に入る。いいオープニングだ。この谷ナオミの家の構造が面白い。階段を上がると2階の部屋(北川の部屋)から1階の座敷が見える。ちょっとマキノ『殺陣師段平』の家(1階の座敷と中2階の部屋)を思い起こすような面白い装置。
ゑぎ

 古い街並みや川を取り入れた風景、あるいは歌舞伎役者の船乗り込みがドキュメンタリータッチで挿入されたりして、なんとも清清しい場面が多い。そんな中で、濡れ場は北川たか子と谷ナオミの2人にしかないのだが(花柳幻舟は友情出演っぽい)、しかし何と言っても谷ナオミの肢体が圧倒的だ。特に後半、彫り師・蟹江敬三が刺青を彫り始めたあたりから、とんでもないことになる。鬼気迫るとはこのことだ。勿論谷ナオミ自身が心底凄いのだが、撮影、照明、音楽などが皆この女優のポテンシャルを引き出すことに結集しているのだ。いやはや最高の強度で興奮する。(最強の硬度で、と云うべきか。)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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