[コメント] シュレック3(2007/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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元々好きなシリーズではないが、『1』『2』はそれなりに見所はあった作品だったと思う。で、「アカデミー賞受賞」「4億ドル超え、アニメ史上最大ヒット」という「冠」が付いてしまったために、またまた出番が回ってきてしまった。たしか『4』も制作すると言う話だったが・・・。
正直言えば、もううんざり。これ以上彼らに何をさせるつもりだ。もう、ネタ尽きたんじゃないか。
冒頭、チャーミング王子登場。三文芝居の舞台の上で、ピノキオやクッキーマンら観客の嘲り、罵倒に傷つき、「路地裏の控え室」の割れてゆがんだ鏡の前で、涙をこらえながら、母の手紙に励まされ、不遇な今日を乗り越えてゆく。
かたや主人公シュレック。病床の王様にかわって公務を執り行うも、下品なドタバタでお茶を濁し、こんなの窮屈でイヤだといい、王様になるのを避けるために、まだあったこともない高校生のアーサーに、言い方は悪いが「仕事を押し付けて」自分は気楽に沼地で暮らそうとする。
なにかといえば「自分は怪物だよ」というが、ちょっと待て。「フィオナはプリンセスだよ」。この事柄をまったく無視している。
つまりこの国の王位を継ぐのは、シュレックではなく、フィオナだろうが。仮にシュレックが王になるかならないかは別にして、フィオナはこの国の行く末について、もっと心配しなければならないはず。プリンセス軍団って歌を歌ったり、お茶を飲んだりするだけじゃなく、もっと自分の国の治める義務があるはず。それなのに、それなのにそれを放棄して、旦那と一緒に片田舎で親子水入らずで過ごすことを優先する。「王様」という役職は誰かがなっていればいいものじゃないはず。この国の行く末を案じた父王の遺言を尊重してあげるという親孝行があってもいいはず。母だってひとりぼっちになってしまうはず。
あとはもう、いつもどおりのドタバタ。新キャラのアーサー(まさかランスロットまで出てくるとは思わなかったが)も、「ただの高校生」だ。決して王の器には見えなかったんだけど。
で、冒頭で悲哀を感じさせたチャーミング王子は、「ただのバカ扱い」され、ただ一人不幸のどん底に見舞われる。せめて王子をそそのかす「別の悪役」を出現させて、そいつをコテンパンにして、王子には、ちょっぴりの幸せを用意してあげてほしかった。
このシリーズの「子供向けの看板をかぶった、皮肉たっぷりの大人向けアニメ」というジャンルに辟易しているが、まだ『4』ができそうなので、私なりに皮肉を交えて、ストーリーを考えてみた。
・・・・・・王に就任したアーサーであったが、依然としてシュレック人気が強く、何かにつけて国民や大臣たちに「シュレックが王であったなら・・・」と比べられ、落ち込む。自分の実力を世に示そうと、隣国に戦争を仕掛け、領土拡大を図ろうとするが、失敗し、国土は戦乱状態になり、荒れ果ててしまった。そんな祖国を案じたフィオナの計らいで、停戦条約が結ばれ、仲直りの証として、隣国の姫君イゾルデがアーサーの元に嫁ぐことになった。しかしイゾルデにはアーサー王の親友のトリスタンという武将の恋人がおり、アーサーにも、手を付けまくった女たちが山ほどおり、女たちの愛憎劇が繰り広げられることになる。
いっぽうシュレックは、そんな国の状態に無関心で、子供たちや、ドンキーやネコと戯れ、毎日を過ごしていたが、国を案じるフィオナとの間に喧嘩が絶えなくなる。フィオナは単身、お城に戻ってアーサーの目を覚まさせ、国政を立て直そうとするが、イゾルデがそれを許さず、城にすら入れなかった。仕方なく母王が隠居する別邸に入った。
国は相次ぐ増税に疲弊し、国民の不満は日々ふくれ上がり、チャーミング王子らは、王政を廃止し、国民制議会制度を導入し、国民が国を治めるように提案。賛同した国民たちは城に攻め入り、アーサーとイゾルデ、そしてフィオナと母王も捕らえ、バスティーユ監獄に幽閉する。そこへフィオナを助けようと、シュレックがドンキーやマリアッチ猫らと共に参上するが、じつはそのころ、隣国の王が、アーサー王、シュレック、チャーミング王子らを一斉に抹殺しようと、空爆の準備をしていたのだった。はたしてシュレックたちの、遠い遠い国の運命は・・・・・・
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