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[コメント] イタリア的、恋愛マニュアル(2005/伊)

イタリア艶笑喜劇の正統派後継映画かもしれない。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「めぐり逢って」「すれ違って」「よそ見して」「棄てられて」の4つのパートで構成される。各々のパートを担うのは異なる世代・環境の人々で、それぞれ絶妙に繋がっている。 そして、そのパート全体を通してみると、“恋愛の寿命”に似ていることに気付かされる。 さらに、“恋愛の寿命”に似ていることに気付くと、最後にまた“恋愛の最初”に戻る構成であることに気付く。いわば恋愛ライフサイクル。

人はいつでも恋をし、愛をささやく。何度も傷つき、それでもまた恋をする。 これはそういう映画だ。

イタリア映画には、その昔「艶笑喜劇」というジャンルがありましてね。 まあ、イタリア映画に限らず、アメリカでもルビッチなんか艶笑喜劇を得意としていたんですが(日本でも艶笑落語というのが昔はあったんだがな)、イタリア映画は「お家芸」だったんですよ。いつの間にか“笑”が抜けてエマニュエル的“艶”になり、ラストタンゴ的な過激性描写になっていったんじゃないかと思うんですが。 この映画、特に4つ目のエピソードの「旦那が帰ってきちゃう」クダリなんかイタリア艶笑喜劇の伝統芸。 職探しよりも女探し優先で、「女見つかりゃオールOK」みたいなエピソードもとっても“イタリア的”(笑)

非常に肩の力の抜けた佳作なんですが、ある意味、イタリア映画の原点とも言えるかもしれない。

(評価:★4)

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